仮設ギャラリーの建築設計競技


「変化する定点」


 いつ起こるか分からない災害の発生に備えて出番を待つ応急仮設。災害時には、被災地で人々の住まいとして貸し出されるが、2年後には不要なものとなって、大量の資材が返却・廃棄される。この応急仮設のあり方を中長期で一般的に利用するというコンセプトで、もう一度考えたとき、新たなつくり方が見えてくるのではないでしょうか。

 東日本大震災発生後、津波の被害を受けた東北地方において、多くの人が住む場所を失いました。その後、被災地にはすぐに応急仮設住宅が建設され、一時的な避難所での生活を経て、住民は応急仮設住宅へと移り住みました。災害救助法により、応急仮設住宅の着工は災害の発生の日から20日以内、貸与期間は完成の日から2年以内と規定されています。つまり、2年後には、応急仮設住宅は不要なものとなり、返却・解体せざるをえなくなってしまうのです。 解体後の資材の内、次の災害発生時に備えて、回収され、返却され、保管される資材は、実は全供給数のほんの一部にしかすぎないのです。

 では、解体後の資材はどうなるのでしょうか。次の災害発生時に備えて、回収され、返却され、保管される資材は、実は全供給数のほんの一部にしかすぎないのです。(約5万戸のうち、返却数は1万戸 / 大和リース調べ)残りの資材は、中国をはじめ、アジア地区に供給されるか、その行き先すらない場合には、廃棄処分されることもあります。

 このような現状に対して、応急仮設住宅の新しいつくり方を考えてみたいと思いました。昔から数多くの自然災害が発生してきた日本において、この先、いつどこで大災害が起こっても不思議ではありません。そのときに供給される応急仮設住宅が、一時的に使われて、また使われなくなることを繰り返すのであれば、環境への負荷はますます高まるばかりです。しかし、応急仮設に、「リサイクル」という視点で新しい循環のしくみを生みだすことで、サスティナブルな応急仮設建築のあり方を考えていただきたいのです。

 さまざまに変化していく環境の中で、人々の価値観は日々変化していきます。時代の先端でその空気を敏感に感じ取り、その先の道筋を示していくクリエイター。彼らがそのアイディアを発信する空間も、時代の空気に合わせて変化していくべきではないでしょうか。

  このコンペティションの提案は、原則として存続期間3年という、限定した仮設建築物の提案を募ります。そのため、この場所で発信されたアイディアを受けて、また違う新たなアイディアが生まれる。そのアイディアに合わせて、空間も変化していく。するとこの空間は、時代の空気を表現し始め、その時々にある思考の定点のような存在になる。この定点は、連なることで線となり、時代の流れを描く線は、やがて未来への道しるべとなるような場所となってほしい。

日本国内で活躍されている有資格の建築家(建築士事務所の登録をおこなっていることが条件)であること。グループでの応募も可能です。年齢、経験は問いませんが、学生(院生とも)の参加は不可とさせていただきます。

文化、デザイン、クリエイティブの発信拠点を考えていただきます。構造は問いませんが、中長期使用が可能な、仮設建築であることを前提とした提案を求めます。大阪市内の敷地や場所、建築物を仮に設定し、その場所の特徴がわかるようにすること。

公募による2段階方式

下記リンクのウェブフォームから必要事項を記載の上、応募締切日時までにお申込みください。自動返信メールにて登録番号を発行します。



※ 締切当日は混雑が予想されますので事前に応募登録を行ってください。
※ 登録時間が過ぎますと無効になりますので、予めご了承ください。
※ 応募登録が完了しますと、自動の返信メールにて受付番号を発行いたします。

2014年2月28日(火)23:59必着

2014年3月5日(水)厳正なる審査の上、ウェブにて発表

送付先 : 事前登録時の自動返信メールに提出物を添付し、返信してください。

提出物はJPGファイル3つ(横使い4000 x 2800px  72dpi  2MB以下)にまとめ、ファイル名を登録番号にしてください。(例:0001.jpg) 
テキストを含む場合は、日本語もしくは英語で記載してください。

※ 著者を特定する記号や氏名が記載されている場合は無効としますのでご注意ください。

一次審査通過者6組による公開プレゼンテーションによって、各賞を選出します。二次審査では、一次審査応募作品の提案内容に基づき、模型や映像、スライドを利用した提案説明を行っていただきます。

会場:国立国際美術館 地下1階 講堂 交通のご案内
    大阪市北区中之島4-2-55 

日時:2014年3月22日(土)
一次審査通過者は、直接 B1階 講堂に12:00までに必ず各自でお越しください。(交通費自己負担)

11:30 受付集合 12:00 事前説明会 13:00 審査会開始 16:00 終了(予定)

12:30 開場 13:00 開演 16:00 終了(予定)

事前に参加登録が必要です。
下のウェブフォームから登録してください。

参加申込み締切 : 3月21日(金)23:59


※ 事前の応募登録または一次審査に提案された方も、必ず登録が必要です。
※ 二次審査に残られた方も代表の1名様のみ以外は、登録が必要です。
※ 130名の定員に達した時点で、締切をさせていただきます。
※ やむを得ず不参加の場合、開催1週間前までにEメールにてお知らせください。どうかみなさまのご協力をお願いします。
  坂茂(建築家)
森田俊作(大和リース株式会社代表取締役社長)
  ○○○○(○○○)
  ○○○○(○○○)
  ○○○○(○○○)
  ○○○○(○○○)

最優秀賞 1点 (賞金 100万円 賞状・記念品) + 実施優先権
優 秀 賞  2点 (賞金 各30万円 賞状・記念品)
奨 励 賞  3点 (賞金 各10万円 賞状・記念品)

応募作品は国内外未発表のものに限ります。同一作品の他コンペティションとの二重応募は認められません。また、応募作品は返却しませんので、必要な場合はあらかじめ複製をご用意の上ご応募ください。提出後の作品内容の変更は受け付けません。 入賞作品の著作権は応募者に帰属しますが、応募者は応募作品に関する著作者人格権を行使しないこととします。また、著作権の実施に対する交渉権は主催者が専有し、実施の場合の著作権料は主催者と協議決定することとします。 ただし、応募作品について後日著作権侵害やその他の疑義が発覚した場合はすべて応募者の責任になります。そのような場合は主催者の判断にて入賞を取り消すことがあります。あらかじめご了承の上、ご応募ください。

特定非営利活動法人(NPO法人)アートアンドアーキテクトフェスタ compe@aaf.ac

[主  催]特定非営利活動法人アートアンドアーキテクトフェスタ
[後  援]大阪市
[特別協力]国立国際美術館
[協  賛]大和リース株式会社


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